『人中』〔1〕(再録、一部アレンジ)


「進一ぃぃ〜〜!」
「昌子ぉぉ〜〜!」



1年ぶりの再会に喜び抱き合う2人。



ジャッジ!ジャッジ!ジャッジ!
レディーーーーー!! ゴー!!


カーン!


どこからともなく鳴り響くゴングの音とレフェリーの声。


その瞬間、昌子は抱き合ったままコーナーに押し寄せテイクダウンを狙うが、腰の強い進一はなかなか倒れない。
そのまま数分過ぎ、ブレイクが入る。
両者再度リング中央でスタンドの状態。
昌子はハイキックを狙うがバランスを崩し後ろに倒れてしまう。
進一、すかさずマウントポジションに入ろうとするが、昌子はこれをなんとか防ぎガードポジションになる。
進一、ガードポジションの状態からパンチを狙うが、昌子は進一の上体を引き寄せパンチを打たせまいとする。
進一、ガードポジションの状態を嫌がり、何とか立ち上がって上から昌子の足に蹴りを入れる。
この状態が数分続いたのでレフェリーの判断でブレイクがかかり、両者再びスタンドの状態に。
両者、軽いジャブで牽制しながらタックルの機会を伺う。
昌子がストレートを出したところで進一がそれを屈んで避けつつ片足タックルを狙うが、タイミング良く昌子の膝蹴りが進一の顔面にヒット。進一地面に膝をつく。
昌子、進一の背後に回りバックマウントの状態で進一の顔の横を左右左右とねちっこくパンチを入れる。進一、必死に顔面を防御。
昌子、散々殴ったところで進一にスリーパーを仕掛ける。なんとかこらえようとするが耐えきれずタップする。


カン!カン!カン!


どこからともなく鳴り響く試合終了のゴングの音。


「強くなったなぁ・・昌子・・・」


と言葉を残し、進一は担架で運ばれていった。


そして、一年後・・・


(以下くりかえし)